ヌクヌク横濱物語

第47話 ヌクヌクと桜

「ほた〜るの光♪」「卒業式をやっているヌク♪」
「ん!」
「うわ〜学校の前に立派な桜があるヌク!」
「かれこれ、50年ここにいるんだよ。」「50年!?」
「そう、ここでたくさんの子供達を見守ってきたんだよ。」
「毎年、卒業式の日子供達が私の前で記念写真を撮るのさ。」
「少しでも素敵な思い出を残せるように」「ちょっと枝をゆすって花びらを散らしてみたり.....」
「少しカラダをひねって満開の枝がちゃんと写るようにしたり.....」
「でもね.....」
「少子化の影響で今日の卒業式を最後にこの学校は廃校になるんだよ」「え!」
「桜さんはどうなるヌク!?」
「学校の跡地にビルが建つから私もどこか遠くへ運ばれるらしい。」
「だから今日の卒業式が、最後の大仕事さ。」「桜さん...」
「桜の下で写真撮ろう!」「ワイワイ ガヤガヤ」「あ!子供達がやってくるヌク。」
「...」
「桜さん...きっとすごく素敵な写真が撮れているヌク」
1ヶ月後「ヌクヌクさんにお手紙です。」
「桜さんからヌク!?」
「ヌクヌクくんお元気ですか?私は今、のどかな田園風景が残る小さな町の保育園にいます。」
「毎日たくさんの子供達と鬼ごっこやかくれんぼうして楽しく過ごしています。」
「また子供達と記念撮影ができる春が待ち遠しいです。桜より。」
「桜さんよかったヌク。」「いつか遊びに行くヌク。」おわり
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