ヌクヌク横濱物語

第35話 ヌクヌクと盲導犬

「ヌクヌクくん はい、どうぞ。」
「マスターのコーヒーは、いつも美味しいヌク!」「嬉しい事を言ってくれるね。」ガチャ!
「いらっしゃいま...」
「イヌ!?」「すいません。よろしいですか?」
「あら♪」「ペットはダメ、ダメ!」「マスターちょっと待ってヌク!」
「ペットじゃないヌク。盲導犬だヌク!」
「盲導犬と一緒に入店する事は法律(注)で認められているヌク。」「例えそうでも僕は犬が苦手なんだよ。」「いらしゃいませ!どうぞ。」「ありがとうございます」(注)身体障害者補助犬法障がいある人は、お店や病院等公共の場所に補助犬を同行できるという法律
「ダウン。そう、グッド!」
「ほ~」「いい子♪」
「はい。ご注文のブレンドです。」
「すごく美味しいです!自家焙煎ですか?」「その通り!うちは、豆にもこだわっているんですよ。」
「昔、目が見えていた頃は喫茶店めぐりが趣味だったんですよ。」「お!僕も学生時代そうだったよ!」グー
「ん?何の音だ?」
「あ、この子のイビキです。」「グーグー」「居心地のいい場所にいると、こんな風に熟睡するんですよ。」
「盲導犬からもいいお店って認められたヌク!」「そうか。何か嬉しいな~。」
「ごちそうさまでした。」
「またお待ちしています。」「ありがとうございます。ではまた。」
「お気を付けて!」「またねヌク!」
「マスター、犬が苦手だったのにすっかり仲良くなったヌク」「それはそうさ。うちのお店を居心地いい場所って思ってくれたなんて、嬉しいじゃないか。」
「あ~、早くまた来てほしいな~。」「明日にでも。」「気が早いヌク!」おわり
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