ヌクヌク横濱物語

第29話 ヌクヌクのお月見

「こんにちはヌク」
「いらっしゃい、ヌクヌクくん」「おばあちゃん、お月見団子を下さいヌク!」
「今日は十五夜だから、ぼくたち、お月見をするヌク♪」「今年から、お月見なんてできないよ。」
「ふん」「ウサギさんヌク!?」
「ウサギさん、どうしてお月見が中止ヌク?」
「餅つきなんて古臭いよ。俺はもっとかっこいい仕事を探すことにしたんだ!」「かっこいいって例えばどんなお仕事ヌク?」
「そうだな~。例えば、原宿のクレープ屋とか。」「ウサギさんかなり昭和が入っているヌク...」
「それに...」
「みんな...スマホばかり見て...誰もお月様を見なくなったし...。」「それが本当の理由なんだヌク...」
「じゃあ、私もお団子屋を引退じゃな。」
「お団子屋のおばあちゃん!?」
「ウサギがいない月じゃお月見にならんからね...」「え!おばあちゃん、ちょっと...」
「確かに餅つきも団子作りも今どきでは、ないからのう。原宿のクレープみたいに。」「原宿のクレープも決して今どきでは...」
「でもウサギが餅をつく十五夜を毎年楽しみにしている、誰かがどこかにきっと必ずいると思うんじゃよ。」
「それを信じるか信じないかはお前次第じゃ。」「...」
その日の夜
「うわ〜!ウサギさん、どうする事にしたのかヌク。」「あ!お月様が出たヌク!」
「ウサギさんがお餅をついているヌク!!」
「ウサギさ〜ん、ありがとうヌク!」「ぼくたちはちゃんと見ているよ〜!」
「すごいヌク!SNSがお月様の話題で盛り上がっているヌク!」
「ウサギさんの頑張っている姿に、世界がカンドーしているヌク。」「おばあちゃんの言った通りヌク。」「今頃、おばあちゃんも感動しているヌク。」
「グーグー」おわり
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