ヌクヌク横濱物語

第14話 ヌクヌクと声かけパンフ

じゃーん!
「何ですか?それは?」
「声かけパンフです。盲導犬ユーザーへのお手伝いの方法が紹介されているんです。」「ホントだ!ぼくたち宇宙人にもわかりやすい内容ですね。」
「まだ何冊かあるからご近所にも配ってきます。」「いってらっしゃ〜い」
「地球人って色々と面白い物を作るんだなぁ...」
「ん?」
「あ、盲導犬のエルくんだ!」「あんな所でなんで立ち止まっているんだろう。」
「そうだ!こんな時こそ声かけパンフの出番!えっと、最初は「お手伝いしましょうか」の声かけからスタートか。」「盲導犬ではなく、盲導犬ユーザーに声をかける...フムフム」
「エルくんのお父さん。こんにちは、ヌクヌクです。お手伝いしましょうか?」「前に立って声をかけるんだよね。」
「ヌクヌクくん、ありがとう。バス停が見つからなくて。」「バス停はすぐ近くです。ぼくがご案内しますよ。」
「それは助かります。では左の肩をかしてくだ...」ぷにっ
「ヌクヌクくんって、ぷにぷにしているんですね。」「なで肩なので、しっかりつかんでくださいね。では進みます!」
「ヌクヌクくん、手引き上手ですね。」「褒めていただき、嬉しいです。声かけパンフでお勉強しましたから。」
「バス停に着きました。あと5分でバスが来るようです。」「ありがとう。ヌクヌクくんみたいにお手伝いしてくれる人が増えると、大きな安心につながりますよ。」
「大きな安心?」
「例えばお手伝いの方法を10人知っていれば、きっと10人の目で見守ってもらえるという安心感です。」
「10人の目で見守る...」
「それって、お手伝いの方法を百人知っていたら百人の目。千人知っていたら、千人の目で見守られているってこと?」「まさにその通り!」
「じゃあ、一万人知っていたら、十万人知っていたら、えっとえっと...」「ヌクヌクくん、なんかツボにはまってしまったみたいだな...」「ぼくたちバスに乗れるかな...」おわり
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